英国のロボット企業Humanoidは2026年6月、実機のヒューマノイドロボットに強化学習(RL、AIがゴールに向けて試行錯誤しながら動作を学習する手法)を適用する新手法「KinetIQ Ascend」を発表した。従来のロボット制御は人間の動作データを真似る「模倣学習」が主流だったが、模倣だけでは人間を超える速度や成功率に到達しにくいという壁があった。KinetIQ Ascendは実際の生産現場を模した環境で実機ロボットに24時間休みなく試行錯誤を繰り返させ、成功・失敗から学習させることでこの壁を突破する。
ポイント
- 部品箱からベアリングを取り出しコンベアに置く作業では、人間の1.5倍速で動作しながらスループットが42%向上
- 散らかったトートから物を取り出し人に手渡す作業では、成功率が80%から98%に、スループットは85%向上
- カメラ映像から次の動作を直接出力するVLA(Vision-Language-Action)モデルに、強化学習を組み合わせたend-to-end手法
フィジカルAIへの意義
シミュレーターで学習した方策を実機に転用するSim-to-Realとは対照的に、KinetIQ Ascendは実機そのものでRLを回すアプローチだ。実機学習はコストと時間がかかる一方、シミュレーションでは再現しきれない摩擦や柔らかい物体の挙動を直接学べる利点がある。今後、実機RLとシミュレーションRLの使い分けがフィジカルAI開発の重要な論点になりそうだ。
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