M1 MacBook Air で MuJoCo を使い、4足歩行ロボット(Ant)のシミュレーションを動かしました。Ant は胴体に4本の脚を持つ昆虫型ロボットで、各脚が2つの関節(計8アクチュエータ・14自由度)を持ちます。複雑な多関節構造でも M1 Mac がどれだけ高速に処理できるか計測しました。
物理シミュレーションとは
物理シミュレーターは、ロボットの関節・重力・摩擦・衝突をコンピューター上で再現するソフトウェアです。毎ステップ「各関節にどれだけ力をかけるか(-1〜+1 の数値)」を指定すると、物理法則に従って次の姿勢が計算されます。これを 1 秒間に数百〜数千回繰り返すことで、ロボットの動きをリアルタイムより速く模擬できます。
強化学習(AI がゴールに向けて試行錯誤しながら動作を学ぶ手法)では、この高速シミュレーションを何百万回も回してデータを集め、制御アルゴリズムを訓練します。シミュレーターで学習した動作を実機に転用する手法を Sim-to-Real と呼びます。

検証環境
- MacBook Air(Apple M1 / 16 GB)
- MuJoCo 3.10.0 / Python 3.14.2
- モデル: 4足歩行ロボット Ant(14自由度 / アクチュエータ 8本)
実測結果
- シミュレーション速度: 17,986 steps/秒
- リアルタイム倍率: 179.9x(タイムステップ 10ms)
- 100,000 ステップ実行時間: 5.56 秒
14自由度・8アクチュエータという複雑な構造でも約18,000 steps/秒を達成しました。タイムステップが 10ms(3自由度アームの 2ms より粗い)のため、リアルタイム倍率は 179.9x と非常に高くなっています。4足歩行の歩容学習には数百万ステップが必要ですが、M1 Mac の CPU だけでも十分な速度で訓練データを収集できます。
