M1 MacBook Air で MuJoCo を使い、3自由度ロボットアームの強化学習シミュレーションを動かしました。強化学習(AI が試行錯誤しながら最適な動作を学ぶ手法)の訓練には大量のシミュレーションが必要で、シミュレーターの速度が学習効率を左右します。今回は M1 Mac でどれだけ速く回せるかを計測しました。
物理シミュレーションとは
物理シミュレーターは、ロボットの関節・重力・摩擦・衝突をコンピューター上で再現するソフトウェアです。毎ステップ「各関節にどれだけ力をかけるか(-1〜+1 の数値)」を指定すると、物理法則に従って次の姿勢が計算されます。これを 1 秒間に数百〜数千回繰り返すことで、ロボットの動きをリアルタイムより速く模擬できます。
強化学習(AI がゴールに向けて試行錯誤しながら動作を学ぶ手法)では、この高速シミュレーションを何百万回も回してデータを集め、制御アルゴリズムを訓練します。シミュレーターで学習した動作を実機に転用する手法を Sim-to-Real と呼びます。

検証環境
- MacBook Air(Apple M1 / 16 GB)
- MuJoCo 3.10.0 / Python 3.14.2
- モデル: 3自由度ロボットアーム(アクチュエータ 3本)
実測結果
- シミュレーション速度: 18,768 steps/秒
- リアルタイム倍率: 37.5x(タイムステップ 2ms)
- 100,000 ステップ実行時間: 5.33 秒
1 秒あたり約 18,700 ステップという速度は、PPO(近接方策最適化)や SAC(ソフトアクタークリティック)といった代表的な強化学習アルゴリズムで必要なサンプル数(数百万ステップ)を数分〜数十分で収集できる水準です。GPU なしの M1 CPU だけで、ロボットアームの基本的な強化学習実験を十分に回せることが確認できました。
