M1 MacBook Air で MuJoCo を使い、ドローン(マルチコプター)の飛行制御シミュレーションを動かしました。ドローンは4枚のプロペラで揚力・姿勢・移動を同時に制御する難しいシステムで、強化学習による自律飛行の研究に物理シミュレーターが欠かせません。M1 Mac でどれだけ高速に飛行シミュレーションを回せるか計測しました。
物理シミュレーションとは
物理シミュレーターは、ロボットの関節・重力・摩擦・衝突をコンピューター上で再現するソフトウェアです。毎ステップ「各関節にどれだけ力をかけるか(-1〜+1 の数値)」を指定すると、物理法則に従って次の姿勢が計算されます。これを 1 秒間に数百〜数千回繰り返すことで、ロボットの動きをリアルタイムより速く模擬できます。
強化学習(AI がゴールに向けて試行錯誤しながら動作を学ぶ手法)では、この高速シミュレーションを何百万回も回してデータを集め、制御アルゴリズムを訓練します。シミュレーターで学習した動作を実機に転用する手法を Sim-to-Real と呼びます。

検証環境
- MacBook Air(Apple M1 / 16 GB)
- MuJoCo 3.10.0 / Python 3.14.2
- モデル: 3自由度マルチコプター制御系(アクチュエータ 3本)
実測結果
- シミュレーション速度: 19,009 steps/秒
- リアルタイム倍率: 38.0x(タイムステップ 2ms)
- 100,000 ステップ実行時間: 5.26 秒
19,000 steps/秒超えの速度は、PPO(近接方策最適化)などの強化学習アルゴリズムでドローンのホバリングや経路追従を学習させるのに十分な水準です。ドローン制御は姿勢の安定化だけでも数百万ステップの学習が必要ですが、M1 Mac の CPU だけで約15分で 1,000 万ステップを収集できます。
