UR5eは、デンマークのUniversal Robots社が開発する協働ロボットアーム(人と同じ空間で安全に作業できるロボット)で、世界中の工場で使われる代表機種です。今回はMuJoCo上にUR5eのモデルを読み込み、M1 MacBook Airでのシミュレーション速度を実測しました。

物理シミュレーションとは

物理シミュレーターは、ロボットの関節・重力・摩擦・衝突をコンピューター上で再現するソフトウェアです。毎ステップ「各関節にどれだけ力をかけるか(-1〜+1 の数値)」を指定すると、物理法則に従って次の姿勢が計算されます。これを1秒間に数百〜数千回繰り返すことで、ロボットの動きをリアルタイムより速く模擬できます。

強化学習(AIがゴールに向けて試行錯誤しながら動作を学習する手法)では、この高速シミュレーションを何百万回も回してデータを集め、制御アルゴリズムを訓練します。シミュレーターで学習した動作を実機に転用する手法をSim-to-Realと呼びます。

検証環境

  • 機種: MacBook Air(Apple M1 / 16 GB)
  • シミュレーター: MuJoCo 3.10.0
  • モデル: universal_robots_ur5e(MuJoCo Menagerie公式モデル)
  • 自由度: 6 DOF / アクチュエータ数: 6

実測結果

  • 10万ステップのシミュレーション時間: 1.94秒
  • 実行速度: 51,436 steps/sec
  • リアルタイム比: 102.9倍速

UR5eは実際の工場で塗装・溶接・ピッキングなどに使われる産業用アームです。M1 Macでもリアルタイムの100倍以上の速度でシミュレーションでき、実機を使わずに手元のノートPCで制御アルゴリズムを試行錯誤できることがわかります。個人開発者にとっても、低コストなフィジカルAI実験基盤として有効な選択肢と言えそうです。